一陽来復と一陽来福

20121229155840

東西線の早稲田駅のそば、馬場下町の交差点に面する高台に穴八幡宮という神社があります。流鏑馬と一陽来復が有名な神社です。私が早稲田の学生だった頃は境内には桜の木が結構植えられていて4月の新歓シーズンなどには数々のサークルが花見の宴を催していたものでした。いつの間にか小ぎれいに整備されてしまって境内にはあまり桜の木は見れなくなっているようです。もうあそこで花見は行われていないのでしょうか。まぁ、ちょっと歩けば戸山公園もあるし神田川もあります。近隣住民や学生が花見の場所に事欠くことはないのでしょう。

一陽来復は、商売繁盛の御守りで、冬至・大晦日・節分のいずれかの24時にその年の恵方に向けて部屋のどこかに貼ることでご利益があるとされています。和紙を円筒状に丸めたもので、中には何かのお守りらしきものが包まれているようです。(開いたことがないので中身が何かは知りません。)

冬至から節分まで毎日売っているので余裕があるんですが、どうしても毎年節分ギリギリになっていました。節分の直前の週末などはものすごい人が殺到していて、並び始めてから一陽来復を手にするまで数時間かかる場合もあります。

20120129122902
▲参考:節分直前(1月29日)にもらいに行った時の混雑の様子

今年は計画的に年末にもらいに来ました。すでに境内は臨戦態勢ですがスカスカでした。お陰さまで全く並ばずに入手できました。

20121229155959
▲年末(12月29日)にもらいに行った時の様子

もう長いこと一陽来”復”は続けているんですが、一陽来”福”というものもあることを知りました。穴八幡のすぐ隣にある放生寺というところで入手できるようです。馬場下町の交差点から大久保方面(戸山公園の方)に数十メートルほどでした。

穴八幡よりも見た目は派手ですが、人の数は10分の1くらいでした。その存在を知っている人がついでに寄るような感じなんでしょうか。

20121229155758
▲放生寺の参道

20121229161035
▲放生寺の本殿

一陽来”復”をもらうと貼りつけ方などが書かれた説明書も付いてくるんですが、その中に以下の文言があります。

 この御守は江戸時代の元禄年間から行はれた穴八幡宮だけに傳来する長い傳統のある特別の御守であります。近年付近の社寺等で類似のお守を出して居る様ですが、当社とは全く関係ありません。御参詣の方は間違のない様穴八幡宮の御社殿でお受け下さい。

一方、一陽来”福”の袋には以下のように書いてありました。

 江戸末期(天保年間)より授与したのが始まりの 放生寺の一陽来福
 金銀融通の御札一陽来福は、江戸時代に観音様の福を授る御札として授与したのが始まりです。

元禄年間は五代将軍綱吉の時代(1688年から1704年)、天保年間は十一代家斉、十二代家慶の時代(1830年から1844年)だそうです。穴八幡の一陽来”復”を放生寺がパクって一陽来”福”を出したと考えるのが自然かなぁと思います。

いろいろと因縁はありそうですが、庶民としては儲かりさえすればいいんで、あまり気にしないのでしょう。

20121230124107
▲穴八幡の一陽来”復”

20121230124119
▲放生寺の一陽来”福”

一陽来復は一体800円、一陽来福は一体700円でした。平成25年の恵方は巳午(真南から少し東寄り)です。恵方はどちらも一緒でした。これ、並べて貼りつけても喧嘩しないんだろうか。

今年こそはアベノミクスで円安で株高で業績好調でウハウハとなって欲しいものですね。

コメントを残す