京王線沿線に住んでいるので、毎年この時期に京王百貨店新宿店で開催される『元祖有名駅弁と全国うまいもの大会』(通称、駅弁大会)には、毎年立ち寄るようにしています。
今年2014年は1月9日(木)から1月21日(火)まで、午前10時から午後8時まで開催しています。私は職場が新宿なので平日の帰り際にも寄れちゃいます。夜遅いと売切れも多いですけどね。
全国から選抜された有名な駅弁が実演販売されていて大変ににぎやかです。人気の弁当だと休日には整理券が発行されて、朝一に行っても手にできるのは昼とか、普通にあります。
当たり前ですが、駅弁は通常その駅に行かなければ手にできないものですし、そもそも新幹線網が随所に整備されて電車内で駅弁を食べるようなシチュエーションが激減している状況もあり、逆に人気を高める要因になっているのかもしれません。
で、駅弁大会では毎年、駅弁対決が企画されます。あるテーマに沿った駅弁が2つ3つ用意されて、それぞれで販売個数を競うというものです。
昨年2013年は、「贅沢三昧 えび・かに対決」と題して、千葉県 いすみ鉄道/大原駅の「伊勢えび弁当」と、北海道 宗谷本線/稚内駅の「食べくらべ 四大かにめし」が対決していました。私も昨年「伊勢えび弁当」を食べました。まじうまかったです。
それで今年も楽しみにしていたのですが、今年の企画はこうでした。
『名人夢の競演 料理界の重鎮の新作駅弁が登場』
- 道場六三郎監修「みちば御自慢 鳥肝丼」1,280円
- 中村孝明監修「鳥取の味 懐石御膳」1,980円
- 神戸勝彦監修「トリュフ風味牛タンと牛肉のイタリア風 すき焼き弁当」1,480円
『豪華海鮮対決』
- 函館本線/札幌駅「鮭児入り 三大鮭めし」1,950円
- 北陸本線/福井駅「三種盛り かにづくし」1,500円
- 東海道新幹線/熱海駅「海の膳 鮑」1,980円
…。
違うんですよ。私たちが求めているのはこんなものではないんです。
駅弁ってのは、もっとこう、素朴で、雑多で、でも地元の人の誇りが詰まっているような、そんなものなんですよ。
ただ豪華な食材を詰め込んで、有名人の名前を冠して、きれいに盛り付けた弁当なんて、ここでなくたってどこでも買えるじゃないですか。
駅弁大会のために創作するのは悪いこととは思わないのだけれど、地元の食材を知り尽くした地元の弁当屋さんが知恵と技術を尽くして作るものであって欲しいし、駅弁という文化の範囲を逸脱するような盛り付けや価格にはして欲しくないのです。
確かに思い返してみると、一部にうにやいくらなどの海鮮が山盛りになって2000円以上するような、絶対現地で駅弁として売るようなものではない弁当を売っている店もあります。実際、そういうところほど行列ができるのも知っています。近年特にそういう傾向が強くなっていることも感じていました。
でも、今年は一線を超えてしまった印象を持ちます。これは、私の愛した駅弁大会ではありません。
今年は京王百貨店の開店50周年記念ということで、ちょっと気合いが空回りしてしまっただけと信じたい。来年以降は原点に回帰して考え直していただけましたら幸いでございます。