婚活を諦めない

婚活を諦めてしまった方が話題になっているのを見掛けました。

婚活を諦めた – 自意識高い系男子
http://ta-nishi.hatenablog.com/entry/2013/02/20/122213

あれ?いつの間に新しいブログ立ち上げてこんな記事書いたんだっけ?って勘違いするくらい私の気持ちを代弁してくれていて、あーやっぱりみんなおんなじこと感じているんだなー、ととても安心しました。いや、安心している場合ではない。

30歳を何年も超えて価値観が凝り固まった中、それまでの人生で何の接点もなく、若々しい魅力も感性も失った中年ふたりが出会い、そこから男女の関係に発展するということが、いかにあり得ないことなのか。

もうこの一文にすべてが凝縮されているなぁと思うのです。しかしこの文章はだいぶ抽象化されていて人によって様々な解釈ができるように思います。たぶん性別によっても感じ方は変わるんじゃないでしょうか。

私が思うに、歳を経て価値観が凝り固まっているのはすごく大きくて、贅沢言えない身分であるのはわかっていても、相手に対する条件はどんどん増えて行くのを感じます。それも客観的に考えるとすごく細かいどうでもいいようなことです。私が最近女性と話していてこの人はないな、と思ったのを思い返してみると、例えばこんなことです。

  • 仕事の愚痴ばかり言ってる
  • 爪がゴテゴテしてた
  • 朝ごはん食べないって言ってた
  • 毎日風呂に一時間浸かっているって言ってた
  • 猫を飼ってる

「相手に対する条件」って言うのはちょっと語弊がある気がしてきました。自分が嫌だと感じない人ならOKくらいの心構えでいるのですが、その相手を嫌だなと感じる閾値がものすごく下がってしまっているような感じです。自分の生活習慣や価値観と合わない部分があるともう受け付けないみたいな感じです。

確かに若い頃はそういう違いは広く受け入れられていた気がします。むしろ新しい世界が開けるくらいの前向きな心持ちを持っていたかもしれません。それがきっと「若々しい感性」なんでしょう。どう呼ぶかはともかくとして、人との差異に対して許容範囲が年々狭くなっていることは痛感します。

社会に出ていろんな人と会って、絶対的にわかり合えない人が世の中には存在することを知りました。主に仕事関係であれば自分と価値観が異なる人とは適度な距離を置いてうまくやり過ごすことを覚えたわけですけれど、婚活のような場面ではそんな人とでも正面から向き合わなければいけません。ちゃんと話したらわかり合えるかも知れないけれど、表面的にちょっとこの人違いそうだなと感じた時点でそれ以上深入りするのを避けている気がします。

ぶっちゃけた話、30代も半ばを過ぎると目に見えて男性的な機能の衰えが始まって、そういう面倒を乗り越えてまで女性にお近づきになりたいモチベーションが無くなってくるんですよ。悲しいけれど、これ、現実なのよね。

上掲の記事では、後半では趣味について語られています。

若いころにハマったオタク・サブカル系趣味は、若者向けに造られているので感情移入が難しかったり、身体的についていけなくなったり、同年代の仲間が居なくなったりで楽しむことが難しくなる。友達や同僚は結婚したり、恋人がいたり、仕事があったりでそれぞれ忙しく、昔のように頻繁に会えるわけでもない。そうなってくると、土日の居場所に困るんですよね。

そんな人たちが、人生の彩りを求め、お稽古ごとに集まってくる。若い頃は、そんな中年を「自分で好きなことも見つけられない哀れな人たち」と思っていましたが、いざ自分が同じ立場に立たされてみると、そうなってしまう理由がよくわかりました。

自分は人間嫌いなもので昔から一人で静かに楽しめるものを好んできたので、歳を経て何かの趣味が楽しめなくなったという経験はありません。今も一番の趣味は山登りだったりしますから、それで出会う人なんてほとんどが自分より年上です。もしかしたら歳をとっても楽しめるような趣味を持ちたいなーと思って始めたのかもしれません。まったく覚えていませんが。

で、婚活をしながら最初に話に出るのは、仕事の話と趣味の話です。仕事の話は同業者でもないと意外と話が合わないものです。私は以前SEをしていて業界横断的にお客さんの仕事を見てきたお陰でそこそこ反応はできるんですが、就職してからずっと同じ会社で事務職をしている女性なんてビックリするくらい何も知りません。自分の仕事をどこから噛み砕いて説明すればわかるのか非常に苦労します。そういう点から見ると二十歳くらいのキャバクラのお姉ちゃんの方がはるかに世間のことをよく知っています。話が逸れました。

趣味の話なんかもするんですが、最近は山ガールなんて言って山登りに行く女性も多いもので、趣味は山登りです(ドヤッ)ってやれば結構食いつきはいいです。で、どの山がよかったとか、最近どの山に登ったとか、ここぞとばかりに話すんですが、ダメなんですね。全然盛り上がらない。ビックリするくらい知らない。よくよく聞いてみると流行ってるっぽいから高尾山やら御嶽山やら(丹沢の)大山やらに友達に連れてってもらったことが2,3回あります、みたいな程度らしいのです。簡単に説明しておくと、いずれの山もロープウェイで山頂付近まで行けて全行程で3時間程度の地元の小学生が登るような山です。

酷いのになると自分が何と言う山に登ったかすら知らなかったりする。「この間奥多摩行きました(ドヤッ」って言うから、「そうなんだ。どこに登ったの?」と聞けば、「いや、だから奥多摩です(ドヤッ」「いや、奥多摩にもいろいろ山あるじゃないですか。どの辺り?バスで行ったの?」「友達の車で行ったからわかんない」みたいな。

何が言いたいかと言うと、どんな動機かはわからないけれど、ちゃんとやってる人からすると趣味と言って欲しくないレベルで自分の趣味はこれです、って言っちゃう人がいます。こう言う人はむしろこっちからするとマイナスの印象しか持ちません。大体こういう人は何をやっても他人におんぶにだっこだから長続きしません。相手にも愛想を尽かされるし、たぶん本人も最初の目新しさが薄れてきたらそれ以降は楽しくないはずです。

30代くらいになれば給料もだいぶ上がっているし仕事も効率よく回せるようになって時間も多く持てるようになります。だから動機はともかく何かの趣味に手を出したくなる気持ちはわかります。しかし、出会い目的や暇潰し目的で始めるようなものは絶対長続きしないし、婚活にもむしろ逆効果にしかなりません。っていうかある程度若い間に真剣に取り組める趣味がもてないような人は30代になってからなんてさらにまともな趣味なんて持てません。歳とれば何事につけても好奇心が薄れてくるし、情報化社会が進展したせいで耳年増って言うのか、何となくわかった気になっちゃってるものも多いですから。

上掲のブログ主さんは婚活を諦めたとおっしゃってますが、出会いを期待して趣味を選択しているんだから、立派な婚活だと私は思います。できれば一生物の趣味に出会って、生涯の伴侶と出会われることをお祈りしています。

私はまだ婚活を諦めませんよ。がんばります。

婚活を諦めない」に7件のコメントがあります

  1. 数ヶ月前に書評を見てから、ときどき寄らせて貰っています^ ^

    女性の場合は、子供を産める年齢が限られているので、そのときに人生で一番好きな人に出逢えればいいのですが、なかなかそうはいかず、実は妥協している人も多いです。男性はそうした制約が女性より緩いので、諦めないでください。

    ”あばたもえくぼ”で本当に好きになったら、ネールアートも家事が多少できなくてとも気にならないと思うけれど、そうじゃないので、気になってしまうのではないでしょうか?

    社会人3年くらいでお見合いをしてすっぱり結婚した友人がいますが、いまだに熱々で見ている方が困るくらいです。最初は熱くなくても、いっしょに暮らしていると、どんどん情が移るので、熱々度が増すようです。

    アメリカの若者が作ったベンチャーでHolsteeとい会社があるのですが、この中で、”人生をかけて愛する人を探しているのなら、それもやめなさい;その人はあなたが自分の好きなことを始めたときに、あらわれるのです。”という言葉もあります。これを贈ります。

    Holstee社マニフェスト:
    『これはあなたの人生です。
    自分が好きなことをやりなさい。
    そして、たくさんやりなさい。
    何か気に入らないことがあれば、それを変えなさい。
    今の仕事が気に入らなければ、やめなさい。
    時間が足りないのなら、テレビを見るのをやめなさい。
    人生をかけて愛する人を探しているのなら、それもやめなさい;
    その人はあなたが自分の好きなことを始めたときに、あらわれるのです。
    分析しすぎるのをやめなさい。人生はシンプルです。
    すべての感情は美しい。食事するときは、ひと口ひと口を味わいなさい。
    新しいこと、そして人々に、心を、腕を、そして心をひらきなさい。
    私たちはそれぞれの違いで結びついているのです。
    次に出会う人に、何に情熱を傾けているかを聞きなさい。
    そして彼らと自分の夢をシェアしなさい。
    旅行をたくさんしなさい。
    道に迷うことで、自分自身を発見するでしょう。
    ときにチャンスは一度だけしか訪れません。それをつかみなさい。
    人生とは、あなたが出会う人々であり、その人たちとあなたが作り出すものです。
    だから、外に出て作ることをはじめなさい。
    人生は短い。
    自分の夢を生き、そして自分の情熱をシェアしなさい。』

    1. きゃりーさん、コメントありがとうございます。
      素敵な言葉をありがとうございます。
      希望に満ちていて真っ直ぐでちょっと私のような中年男子にはまぶし過ぎますが、じっくり噛みしめてみようと思います。

  2. 普段こうゆうのは読んで何も足跡つけずに立ち去る種類の人ですが、自分が書いたのか?と思うくらい共感する内容でしたので思わず書きます。
    私はギリ・アラサーの年齢なんですが、他人と親しくなるのが苦手で1人好きでやりたいこともあって結局今まで独身です。
    周りは出産で女性の同僚は育休とかで、お昼は1人、家でも1人なんですが、1人に慣れてしまっている自分がいて。やりたいことはもう気が済んだし、このまま1人だと偏屈な人間になってしまいそうで、誰かと向き合える寛容な人になりたいなと思うようになり、やめていたコン活を再開するつもりです。私もただの飲み会より趣味つながりのほうがお互い人間性を理解しやすいしとっかかりがあるのでいいと思います。私も登山(自分でコースを考え、槍ケ岳、北岳等のアルプスなど百名山を1,2年で25くらい登りました。寺社も好きで宿坊にとまったり瞑想をしたり(滝行はしたことないですが)、、、文章を読んで親近感がわきましたが、リアルで会ったとしても成熟した大人同士変な気恥ずかしさとかでここまで深い話はできないのかな、と思うと残念でたまりません。自分らしさという枠をいい意味で壊せたらいいなと思う最近です。お互いがんばりましょう!勢いで書いたので乱筆乱文大変失礼しました。

    1. 自意識高い系女子さん、コメントありがとうございます。
      ああいうことを書くと女性からは批判されるかとドキドキしてたんですがご理解いただけてとても嬉しいです。

      登山されるんですね。2年で百名山25座はすごいですね。
      私は今5年で40座くらいです。きっといくつも同じ山に登ってるんでしょうね。
      ちなみに山行記録は別のブログに書いているので、よかったら読んでやって下さい。
      http://mount.traversist.com/

      できたらぜひじっくりお話したいですね。
      ブログの右上「About」の先にメールアドレスを載せてあるので気が向いたらメールいただけると嬉しいです。

  3. はじめまして 先月にこちらのブログを拝見して以来更新を楽しみにして読んでおります 婚活についてのあれこれ、共感するところが多いです また自意識高い系女子さんとのやりとり、心温まるものがありました 私はアラフォーでもともと子供をもつことに興味があまりなく今はのんびりとライフパートナーとの出会いを待っているところです 私も他者との深い関係が得意ではなく、友達も少ないほうです ひとりでも気楽でいいのですが、やはり味気なく、寂しい思いを抱えています 大それたことは望んでいないのですが、このまま今の生活を離れ、親元にひっこんでしまうのも後悔が残りそうです 長くひとり暮らしをしているとひとりの寂しさにも慣れている反面、心が折れそうになることもしょっちゅうです まだ出会っていないだけ、これから出会うはず、そう信じて諦めないこと、ただそれだけだと思います
    ずっとブログを読んできて、貴方様がすごくまっとうなことをおっしゃっているのがよくわかります まだまだ、これから、今年こそはよい出会いがあることをお祈りしております
    やはり、京王線沿線なんですね。。。そんな気がしました笑

    1. himitsuさん、コメントありがとうございます。
      まったく同感です。私も親の老後とか現実味を帯びて来て、どこで切りを付けるか常に葛藤している感じです。
      諸々のことを諦めてしまうと楽になるのかも知れないですが、もう少し足掻いてみようと思います。
      himitsuさんによい出会いがあることをお祈りしています。

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